
2月は新酒の季節です。
冬場の寒い時期は雑菌が繁殖しにくいことから
日本酒の仕込みに適しているとされ、
「寒造り」の名で伝統的に酒づくりが行われてきました。
寒造りは江戸時代に確立された製法で、
現代のような計器類がない時代、蔵人は長年の勘や経験だけを頼りに、
繊細かつ複雑な酒造りに対応してきました。
栃木県は日本名水百選で全国第一位となった
尚仁沢(しょうじんざわ)湧水群をはじめとする湧水・名水が多く、
また、雑味の原因ともなる”玄米たんぱく質”を抑えた
県オリジナルの酒造好適米の開発にも取り組んでおり、
古くからおいしい日本酒ができる環境に恵まれた銘醸地です。
県内には現在、30を超える酒造があり、
中には200年以上前の歴史を誇る老舗も存在。
「下野杜氏」と呼ばれる、新世代の杜氏集団の躍進のもと、
伝統と最新技術を融合した酒造りが行われています。


現代では辛口系、生酛系、甘酸系、
ブレンドによる複雑味重視など、
さまざまな嗜好に合わせ、バラエティに富んだお酒が
造られていますが、一般的に栃木県のお酒は、
近隣の茨城や群馬でつくられる端麗辛口と対照的に
米の甘みや旨みに秀でた濃厚さが特徴と言われています。
栃木のお酒はお料理に負けない存在感も魅力のひとつ。
嗜む際はぜひ、お料理とのマリアージュも楽しんでみてください。
当館でも旬の地の味わいに合わせてセレクトした
「地酒利き酒セット」をご用意しております。
お食事の際にはどうぞお気軽にご用命くださいませ。
■四季味亭 ふじや
【銘柄例】天鷹・天鷹鷹の爪・澤姫・大那・旭興辛口・鳳凰美田
※お好きな3種類をセレクト
■離れの宿 楓音
【銘柄例】大吟醸天鷹三割五分磨・旭興大吟醸・澤姫大吟醸・真・地酒宣言
ちなみに、意外にも栃木県はワインの生産量や
クラフトビールの生産量でも上位にランクイン!
実は栃木県は全国でも有数の麦の生産地として知られ、
県内ではビールの原料となる二条大麦の他、
麦茶で知られる六条大麦、小麦の3種類が栽培されています。
そろそろ春の食材もお膳に登場する頃。
栃木を訪れたら、季節の味わいや景色とともに
この地で育まれたお酒との出逢いもぜひお試しください。
※写真はイメージです